オムニチャネルという用語はいたるところに出現しますが、それは単なるバズワード(流行語)ではありません。高まり続ける顧客の期待にビジネスを適応させられるようにすることで、長期的な問題を解決するものです。オムニチャネル化を実現する場合、受付を自動で行うセルフサービスとアシストサービス双方のインタラクションが関連付けられ、顧客にとって快適なカスタマーエクスペリエンスの提供が求められます。

ただ実際には、Webによるセルフサービスで始まるカスタマーインタラクションから電話チャネルへと移行するインタラクション間でしばしば連携がうまくいかないことがが多々あります。このギャップが、より包括的なオムニチャネル・エンゲージメントアプローチの必要性を推進しています。その基礎となるのがパーソナライズされ、文脈に沿って対応できるセルフサービスIVR(自動音声ガイダンス)です。

 

セルフサービスIVR(自動音声ガイダンス)が今、なぜ重要なのか?

ディメンションデータ社の「2016年世界のコンタクトセンターに関するベンチマークレポート」によると、カスタマーエクスペリエンスは取締役会における戦略的パフォーマンス指標の第1位となっています。同レポートで、セルフサービスとアシストサービスのチャネルを提供する第1の理由としてカスタマーエクスペリエンスを挙げている回答者は73.7%に上っています。
しかし、48.1%は、顧客がセルフサービスから次の段階へ移行するときに、情報をエージェントに伝達できていません。企業が顧客の求める対応を提供できず、顧客自身が問い合わせを最初からやり直さなくてはならない場合のカスタマーエクスペリエンスを想像して下さい。

オムニチャネル・セルフサービスは、音声またはデジタルチャネルを通じたカスタマーエンゲージメントを可能にし、他のセルフサービスチャネルへのシームレスな移行を実現するとともに、必要に応じてアシストサービスに移行できるようにすることで、この問題に対処します。

コールセンターで顧客対応中のエージェントが、すべてのセルフサービスインタラクションの文脈と履歴を把握できるようになることで、パーソナライズされたサービスの提供を継続することができます。複数チャネルのシームレスな統合は、適切なセルフサービスオプションに基づく最適なカスタマーエクスペリエンスを実現します。それは、セルフサービスについての考え方を変えるものです。

 

どこから着手すべきか?

長年にわたり、コールセンターのIVR(自動音声ガイダンス)はセルフサービスと同義語でした。新しいデジタル/モバイルチャネルは、それぞれ独自のセルフサービスオプションで普及が進みました。しかし、カスタマーサービスに関する「セルフサービス」を考えたときに思い浮かぶのは未だにIVRです。その点はまったく変わっていません。
IVRは確かにセルフサービスですが、デジタル化が進んだことで、Web、モバイル、ソーシャルメディアといったチャネルへとセルフサービスは拡大しているのです。

とはいうものの、IVR(自動音声ガイダンス)の問題は解決していません。フォレスター・コンサルティング社に委託して実施したオムニチャネル・セルフサービスに関する最新の調査によると、意思決定者の48%~55%はIVRに関連するさまざまな障害への対応に「苦慮している」または「非常に苦慮している」と回答しています。

最新テクノロジーのインフラストラクチャに移行しない限り、オムニチャネル・エンゲージメントは実現しません。顧客サービスにおける重要な役割を担うとともに、進化の必要性から、IVRをオムニチャネル・セルフサービスへの移行することはスタートポイントとして絶好であると言えそうです。

 

指標を基にしたオムニチャネルのビジネスケースの構築

オムニチャネル・セルフサービスに関するフォレスター社の調査では、セルフサービス機能のビジネスへの影響も分析しています。最も注目すべき点は、オムニチャネル・セルフサービスを取り入れている組織のほうが、サービスのレスポンスタイム、待ち時間、顧客のコールバック回数、および顧客満足度スコアに対する影響が大きいまたは極めて大きいことです。

実際、オムニチャネル・セルフサービスを採用している10社のうち9社は、すべてのチャネルでパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを効果的または非常に効果的に提供していると回答しています。これらの企業は、オムニチャネル・セルフサービスを使用していない企業と比べて、顧客満足度スコアが高く、サービスのレスポンスタイムが向上しているとのことです。

オムニチャネル・セルフサービスは優れたカスタマーエクスペリエンスを効率良く提供するうえで重要な要素であり、カスタマーエンゲージメント戦略に欠かせない要素です。これらの指標は、オムニチャネル・セルフサービス実装時に、ビジネスケースを構築するための出発点として最適です。

 

オムニチャネル時代に適したIVR(自動音声ガイダンス)への移行を目指す場合には、ジェネシスまでお問い合わせください