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KPIという経営用語をご存知でしょうか?Key Performance Indicatorの略で、重要業績評価指標と呼ばれるものです。組織の目標達成の度合いを図るための指標で、業績を達成するためには、非常に重要なものです。
ビジネスの目標にはKGI(Key Goal Indicator)と呼ばれるビジネスの最終目標があり、これらには売上高、利益率などがあります。KPIはこの最終目標を達成するためのプロセス指標であり、最終ゴールに向かう途中過程を管理・評価するものだと捉えましょう。
さて、コールセンター業務においては、管理者が日々独自のKPIを設定して追いかけていることでしょう。大きな成果を出し続けている管理者ほど、分かりやすいKPIを設定し、またその進捗や達成率を自分1人だけでなく、オペレーター全員と共有しているはずです。
コールセンターで設定すべきKPIとは?
では、コールセンターで追いかけるべきKPIにはどんなものがあるのでしょうか?まず挙げられるのが、応答率でしょう。受電数(お客様がかけてきたコール数)に対してどれだけオペレーターが応対できたか、という率ですね。
日本国内の多くのコールセンターでは、この応答率を90%に設定しているようです。もちろん、応答率が100%に近づくほどお客様満足度は高まります。しかし、100%近い応答率を保つためにはコールオペレーターの数をピーク時に併せてシフトインさせる必要があるため、アイドルタイムには半数以上の人員が待機状態となり、経営視点で見れば、ムダと言えるでしょう。
損保の事故受付コールセンターや緊急トラブル駆け込みサービス系のコールセンターならば98%以上の応答率を設定しているようですが、一般のコールセンターの場合には、コストとサービスのバランスを鑑みて、KPIを90%の応答率と設定しているところ多いようです。
現場と共有できるKPIを設定すべき
現場の管理者に応答率以外のKPIを設定してみてくださいとお願いをすると、多くの管理者が「オペレーターの稼働率(応対時間+後処理時間を着席時間で割ったもの)」を重点KPIに設定されることでしょう。
もちろん経営的視点では、この稼働率を追いかけることは生産性向上に非常に重要です。でも、ここで注意していただきたいのが、「現場オペレーターとKPIを共有する」ということです。オペレーターの稼働率を追いかけると、どうしても管理されているという感覚をオペレーターが持ち、少し距離が出来てしまいます。
その距離を無くすためにも、例えば「コール応対後の後処理時間を平均で60秒間短くしよう」というように、オペレーターでも分かりやすく、また自分たちの工夫や努力で改善できそうだと感じてもらえるようなKPIを設定してみましょう。
このKPIならば、ミーティング時に「今日は後処理時間を短くするためにどんな工夫をしましたか?」と質問を投げかけた場合に、新人オペレーターであっても、自分なりに行ってみた工夫を発表してくれ、結果として後処理時間短縮につながりそうな手法や小ネタが回りのオペレーターに伝播していくようになるのです。
「応対後のシステム入力時には、このタブとこのタブを別ブラウザで起ち上げておくと入力作業を5秒くらい短くすることができます!」など、ゲーム感覚でオペレーターが後処理時間の短縮方法を模索してくれはじめたらしめたものです。
現場と共有できるKPIを設定し、皆で楽しみながら追いかけ続けているコールセンターは、きっと大きな成果を継続的に出していけるようになることでしょう。
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