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デジタルチャネルが活発化した現在では、オムニチャネルという考え方をもとにマーケティング戦略を立てることが重要になっています。今回はオムニチャネルの基礎知識から始まり、考え方を実行に移すまでのやり方を説明します。
目次
オムニチャネルとは、複数のチャネルを連携・統一して運用し、顧客がチャネル間のギャップを感じることなく利用できるようにするための考え方です。意味としては、ラテン語で「すべて」を意味する Omni と、「販路」を意味する Channel を組み合わせたものになります。
オムニチャネルが注目されるようになった理由は、顧客が使用するチャネルの多様化・複雑化にあります。かつての販売手法は実店舗がメインでしたが、現在はさまざまなチャネルで商品やサービスが販売されています。これにより、発生したチャネル間のギャップを解消するためにオムニチャネルという考えが提唱されたのです。
近年ではコールセンター業務でも、電話のほかメールや SNS 、チャットなど、チャネルが多様化しています。チャネルごとにサービスの質を統一するためにも、オムニチャネルの考え方や構築方法は把握しておきたいところです。
チャネルは大きく「販売チャネル」「コミュニケーションチャネル」「流通チャネル」の 3 区分に分けられます。そして、それぞれのチャネル区分の中に、複数の手法が含まれています。
販売チャネル:実店舗、 EC サイト、専用アプリ、 SNS 、通販カタログなど
コミュニケーションチャネル:電話、チャット、 SMS 、 Web 広告、雑誌など
流通チャネル:直接流通(直営店舗販売、通販、訪問販売など)、間接流通(主に小売り)
オムニチャネルで扱われるのは、おもに販売チャネルとコミュニケーションチャネルの2つです。コールセンターならコミュニケーションチャネルのオムニチャネル化が課題となるでしょう。
オムニチャネルに似た言葉として「マルチチャネル」や「クロスチャネル」、「 OMO 」があります。いずれも複数のチャネル運用において用いられる考え方、もしくは運用方法ですが、それぞれ概念や目的は異なります。
これらはオムニチャネル運用の基礎知識としても必要になります。それぞれの違いと特徴を、しっかり覚えておきましょう。
マルチチャネルとは、複数のチャネルを同時に運用することです。あくまでそれぞれが独立した運用で、チャネル同士を連携・統一したり、チャネル間のギャップを考慮したりといった運用方法は考慮していません。
クロスチャネルとは、複数のチャネルがあるときに、チャネル同士で顧客や在庫などのデータを連携している状態のことです。
クロスチャネルの目的は情報の一元化で、販路ごとのデータ管理によるデータの煩雑化を防いだり、統一的な顧客へのアプローチを可能にしたりといった効果が見込めます。
OMO ( Online Merges with Offline ) とは、日本語に訳すと「オンラインとオフラインの融合」という意味です。顧客がオンラインとオフラインの垣根を意識せず利用できる環境、もしくはそのための施策を意味します。
似たような言葉に O2O ( Online to Offline ) という、オンラインからオフラインへの送客を意味する言葉もあります。O2O はあくまでオンラインとオフラインを区別して考えるもので、 OMO は両者を区別せず考えることに焦点が当てられています。
OMO は、複数チャネルの垣根をなくすオムニチャネルと考え方が似ていますが、オムニチャネルはオンライン・オフライン関係なく複数チャネル間での垣根をなくすことを目的としているところが異なっています。
オムニチャネルの実現により、一貫した顧客体験の提供ができるようになります。その結果として、顧客満足度の向上や、購入に至るまでの顧客のより細かな分析が可能になる等が見込めます。
顧客にとってチャネルは、あくまで商品購入や問題解決にたどり着くための手法でしかありません。
ときには複数のチャネルをまたいで利用するケースもあり、チャネル間の障壁を撤廃できれば、ユーザーにとってより快適な環境を提供できるはずです。
オムニチャネル カスタマーエンゲージメント 実践ガイド
顧客はパーソナライズされて、どのチャネルでも一貫した体験を得られることを望んでいます。この eBook では、オムニチャネル・カスタマーエンゲージメントを推進する 3 つの重要なステップについて学ぶことができます。
オムニチャネルは顧客と自社両方にメリットがある施策ですが、構築には多くのリソースを必要とします。それだけに、効率的に準備を進める戦略の論理的構築が重要です。ここでは 4 つのステップに分けて、オムニチャネル戦略の構築方法を紹介します。
オムニチャネル戦略構築の第1歩は、各チャネルにおける顧客接点の洗い出しです。
オムニチャネルの構築には、これまで縦割りで対応していた各チャネルに横のつながりを付与したり、チャネルという「場」の違いを撤廃したりといった事項が含まれています。
これらの作業を進めるには、各チャネル内におけるカスタマージャーニーをしっかりと設定する必要があり、その出発点となる顧客接点を把握することが重要です。
顧客接点が把握できたら、それぞれの接点からカスタマージャーニーを想定し、最適な顧客体験設計を行います。
ここで重要なのは、カスタマージャーニーで顧客がストレスを感じる箇所の発見とそのストレスの原因を解消することです。いつ、どのチャネルにいても、ストレスフリーな顧客体験を提供できる体験設計を心がけましょう。
そのためには、やはり一貫した体験設計が要になります。
大まかな CX デザインができたら、顧客が自社に対して求めることを明確化する「要件定義」を行い、評価指標である「 KPI 」を設定します。ここで意識したいのは、チャネル同士で成果を食い合わないようにすることです。
オムニチャネルでは、複数チャネルが連携しながら KPI 達成に向けて動きます。チャネルの相互関係は、注視しておきましょう。
KPI の設定まで完了したら、実際に運用してみて効果を検証しましょう。トライアル期間を定め、 KPI に対してポジティブな動きが見られるかをチェックします。一般的にトライアル期間は 2 ~ 3 カ月くらいです。
このとき、オムニチャネル化したことによる問題点やカスタマーエクスペリエンスの課題点などもチェックし、必要に応じて CX デザインや KPI 設定などにフィードバックします。
関連記事 : コールセンター・システムを刷新しオムニチャネルを実現するための5つのステップ【コールセンターマネジメントTIPS】
オムニチャネル化の代表的な課題として、必要なリソース・コストの多さや、周囲からの理解不足などがあります。ここでは、代表的な 2 つの課題と、それらに対する解決策を紹介します。
オムニチャネル化は各マーケティングチャネルを横断して行われるため、組織内の理解が必要不可欠です。しかし、各部署へ個別に説明するには多くの労力が必要で、一担当者が行うには負担が大きすぎるでしょう。
この課題を解決するには、まず上層部から理解を得るのが得策です。上層部からトップダウン方式で説明してもらうことで、組織内の理解が得られやすく、また、複数部署にまたがっている権限や予算などの調整も付きやすくなります。
「いざオムニチャネル化」と意気込んでも、いきなり大きくスタートするにはハードルが高く、また、周囲からも本当に効果が出るのか疑われるケースも考えられます。まずは、小規模にスタートして確実に成果を出していきましょう。
そのためには、成果が出やすいと見込まれる領域に絞ったスタートと、目的に最適なシステムの導入が重要です。ただし、システムは小規模に抑えるのではなく、拡張性のあるものがおすすめです。徐々にオムニチャネル化の範囲を広げていくことを考え、長く使い続けられるシステムを選定しましょう。
製薬メーカーであるアステラス製薬様では、患者さんやそのご家族と医療関係者との信頼構築のために「メディカルインフォメーションセンター」というコールセンターを運用しています。年間の問い合わせ件数は 9 万件以上にのぼりますが、システム老朽化による障害発生やオンプレミスによる機能制限といった課題を抱えている現状もありました。
これの課題を解決するために導入されたのが、クラウド型コンタクトセンター・システムの Genesys Cloud です。オンプレミスからクラウドへ移行したことで、稼働が安定化しました。同時にシステム基盤が社外にあることで、定期的な新機能の追加が可能になりました。在宅勤務の実施や 2 拠点化したコンタクトセンターの管理も容易になりました。
この Genesys Cloud の導入を、オムニチャネルやマルチチャネルの足掛かりとしても考え、顧客層によって異なるチャネル選択に対して的確に対応できる環境構築を目指しています。
オムニチャネルは、顧客の CX を大幅に向上できる可能性を秘めている考え方です。しかし、オムニチャネル化の成功には多くのリソースや費用、組織内における理解などが必要になってきます。
失敗しないためには、一度基本に立ち返ってサービス自体を見直すこと。そして、チャネルの洗い出しやコミュニケーション設計を行うことが重要となります。
複雑な施策を行うときほど、基本を固めることが重要です。まずは、組織内における体制準備や最適なシステムの導入検討など、可能な部分から始めていきましょう。
優れたオムニチャネル・プラットフォームが一貫性のあるカスタマージャーニーを実現
Genesys Cloud を活用することで、すべてのチャネルにわたるカスタマージャーニー全体において、シームレスでパーソナライズされたエンゲージメントを創出できます。
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