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CX 戦略イベント「Xperience Japan 2024」のオープニングセッションの概要と見どころをレポートするブログの後編です。前編~加速する CX 戦略の未来~と併せてご覧ください。Genesys 米国本社プロダクトマーケティング担当執行役員の Elcenora Martinez による AI 活用のプレゼンテーションと、未来のユースケース動画・技術解説についてご紹介します。
Martinez:我々の業界で起きている素晴らしい AI の変化についてお話します。さまざまな課題もありますが、革新的なソリューションも生まれています。
コパイロットとは我々のイノベーションの最先端で、まったく新しいエクスペリエンスを提供します。
会話をリスニングしてリアルタイムにテキスト化し、ナレッジを表示するだけでなく、回答の中で必要もしくは重要な部分だけハイライトすることでオペレーターをサポートします。さらにどういった会話がされたのかを要約して、後処理の効率化を支援し、一貫性も担保します。仮想エージェントは、LLM(大規模言語モデル)によって従来型のボットから大きく進化します。このボットは学習して賢くなり、より幅広いユースケースに対応できるものになっていきます。
ジャーニーマネジメントは、お客様がどのような経路を通ってきているのかを把握し、それを活用してジャーニーをパーソナライズします。
ジャーニーフローは、Genesys Cloud セルフサービス・チャネルにおけるカスタマージャーニーパスを可視化します。
ジャーニーアナライザーは、すべてのチャネル上の対話を統合して分析します。
そしてファネル分析では、ステップバイステップでコンバージョンの指標を測定することができます。
チャネルレスにはいくつかの要素がありますが、まずはお客様に、どのように繋がりたいかの選択肢を提供する必要があります。そしてその体験をしっかりと繋いでいかなければいけません。会話の途中でビデオや画像を送りたい場合もありますから、さまざまなチャネルをサポートします。最近 Radarr 社を買収したことで、SNS へのアクセスも可能になりました。
カスタマーサクセスの体験は、オンラインだけではなくオフラインでも重要です。ワークオートメーションでは、さまざまな機能を同じワークスペースから行うことができます。お客様をお待たせすることなく、リアルタイムに回答できるため、顧客満足度も上がります。
2023 年に Genesys と Salesforce 社の業務提携、2024 年 5 月に ServiceNow 社との提携を発表し、バックオフィス業務が一貫性を持って統合されました。
エージェントコパイロットは、380 万件の要約を自動的に行っています。またナレッジ検索では 3 億 5400 万件の検索を行いました。オペレーターへ繋ぐルートの予測(プレディクティブ・ルーティング)は、530 万件の会話に対応しています。
間を 15% も短縮し、お客様の満足度も大幅にアップしました。カスタマーサクセス従事者の幸福度も 12 ポイントアップしました。
NGM Group 様では、オートラップアップ(自動終了)によって後処理の時間を2~3分短縮することができています。この 2 ~ 3 分というのがどれだけ大きなものか、考えてみてください。皆様も AI を活用してみたいと思いませんか?
谷本:凄い進化ですね。AI を活用していくことで、かなり進化していけると確信しました。
谷本:具体的にイメージしていただくために、素敵なビデオをご用意いただきましたので見てみましょう。
(ビデオのあらすじ)ジェネシスを採用する架空の航空会社(g-Airways)のユースケースです。ある顧客の荷物が空港で紛失してしまい、顧客はそのことを SNSに投稿。Radarr 社がそれを見つけ、担当者が即座に連絡をとり、ジェネシスとSalesforce 、ServiceNowなどとの連携の下で迅速に荷物を発見し、顧客の滞在ホテルに発送。顧客は喜んでその経緯を SNS に投稿に投稿したというストーリー。
谷本:昨年のユースケース動画でも SF の世界かなと思ったのですが、今年はさらに進化していますね。
リッチー:ありがとうございます。今のビデオの中には技術的な要素が多数入っていましたので、ジェネシス ソリューションコンサルタント本部の岡野に技術解説をしてもらおうと思います。
岡野:よろしくお願いします。それではこのスライドを左上から見てください。ユースケースでは、まずサラという人が旅行をしている最中にロストバゲージの憂き目にあってしまいます。サラは怒って、そのことを Facebook に投稿します。
ここで早速、先ほど紹介した Radarr が登場します。Radarr はこういった投稿をソーシャルリスニングし、それに気づいた CS のジェームズがサラにコンタクトを取っていきます。
ここでプレディクティブ・ルーティングによって最適なエージェントやオペレーターを探して、ローレンに繋げられます。ローレンはエージェントアシストなどを使って、ロストバゲージに関する適切な FAQ に基づいてサラに回答を行います。
さらにアインシュタインのネクストベストアクションを使いながら、その後のバックオフィスのトラッキングプロセスを自動で走らせます。このとき、サラの情報は人間が手で入れるわけではなく、ケースマネジメントシステムに自動的に引き継がれます。
ServiceNow ではナンシーが対応し、荷物を特定した上で宿泊先のホテルに配送手配をします。ナンシーはサラに電話をして、荷物をホテルに送ったことを知らせ、安心したサラは Facebook でこの喜びを伝えます。最後にわずかにセンチメントが上がったことを Radarr で確認しています。
ここでサラの取った行動のみに注目すると、面白いことに 3 つしか行動していません。まず1つめは、荷物をなくして SNS に投稿をしてしまうというところ。2 つ目はそれを見つけた人からメッセージが届いて、DM 返信をしています。最後に、荷物がホテルに届いたことを喜び、また SNS 投稿しました。この航空会社は AI を活用してすごく先手を打った対応をしているということが分かるかと思います。
谷本:そう考えると、困っているユーザーが自分で能動的に多くのアクションをしなくてもいいという、AI とシステムがつくる流れに沿って、トラブルがどんどん解決していくというのは本当に素晴らしいです。
岡野:Radarr というプロダクトが重要な役割を果たしていますので、それに特化した動画を見ていただきたいと思います。
(ビデオを見ながら)先ほどと同じようなストーリーです。空港で荷物をなくしてしまったという絶望を SNS でつぶやきます。Radarr にはいろいろな機能がありますが、今回は感情の変化を重視して見つけています。ネガティブな感情を検知して、そのまま人間のオペレーターに繋ぐことができます。そこで一旦「DM に送ってください」と接触して、お客様は安心してプライベートなやり取りに移行していきます。非常に分かりやすい、Radarr のユースケースです。
谷本:他にもたくさんの機能があるわけですよね?
岡野:ここではエージェントアシストとコパイロットの説明をします。
エージェントアシストの基本的な機能は、エージェントやオペレーターの方々に対して FAQ を自動的に提示するものです。リアルタイムの会話を検知して、関連した FAQ をどんどん表示します。そしてエージェントの方は会話が終わった後に必ずメモを残すわけですが、これを楽にするために、まずは会話の要約を出力するので、必要があればそれを編集していただきます。また、エージェントアシストが提示した FAQ が役に立ったかどうかというフィードバックも、この画面の中で行います。
コパイロットという少し上位の機能になると、FAQ をただ提案だけではなくて、どの部分を読み上げたらいいのかをハイライトしてくれます。そして対話が解決したのかどうかや、リーズンコードを自動的に提示して、必要があれば人の手で直すというかたちになります。
そしてネクストベストアクションとして、FAQ を出すだけではなく、具体的にとるべきアクションがあるのであれば、その画面を出してアクションを促します。
さらにバーチャルエージェントです。これはボットのことですが、我々はバーチャルエージェントと呼んでいます。今はボットをルールベースで作ることが多いですが、LLM を使うと「こんな感じのボットを作りたい」という指示を入れれば自動的に作ってくれます。
最後に CX 品質管理者の方にご紹介したい機能があります。これまでも通話録音を聞き起こしてスコアをつけるということは行われていますが、LLM を活用すると、ある通話録音について「エージェントはプロフェッショナルに対応したかどうか」というようなプロンプトを設定して、自動的に評価できるようになります。
谷本:AI については「導入が難しい」という印象を持たれる方も多いと思いますが、その点についてはいかがですか?
岡野:今は、ゼロから自分で作るという要素はかなり減っています。ボットに関しても、作りたいものを自然言語で入れれば、それに対してある程度作り上げてくれます。今までよりは確実に楽になっています。
谷本:トークンと特別プログラムについて教えてください。
岡野:5 月 2 日に、無料トークンの提供を始めました。Genesys Cloud を契約しているお客様に毎月一定数のトークンを無料で提供し、AI 機能の利用に使っていただけます。それから、オーストラリアやニュージーランドで行われた 80 以上のデモンストレーション実証の事例を、日本向けに応用して展開したいと考えています。
谷本:岡野さんどうもありがとうございました。最後にジェネシス日本法人代表取締役社長のリッチーさん、どういったかたちでこの CX の進化を進めていかれるお考えか、聞かせていただけますか?
リッチー:テーマにもなっている「遠いようで近い 2030 年」ということで、Genesys Cloud を皆さんに使っていただいて、カスタマーエクスペリエンスのレベルアップのチャンスにしていただきたいと考えています。皆さんと一緒に 2030 年に向けた進化を一緒に歩んでいけるようなパートナーになれればと考えております。
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