現在の顧客は自分でチャネルを選んで、シンプルでつながりのある体験を通して、サービスを利用し、購入目的を達成したいと考えています。企業が自分のことや場所、目的を理解し、シンプルなエクスペリエンスを提供してくれることを、顧客は期待しています。そこで、カスタマージャーニー・オーケストレーションの出番です。カスタマージャーニー・オーケストレーションとは顧客行動を統合的に分析、タッチポイントにおけるやり取り(インタラクション)を最適化し、顧客体験の最大化を目指すことです。

なぜカスタマージャーニー・オーケストレーションなのでしょうか。そして、なぜ今なのでしょうか。カスタマージャーニー・オーケストレーションは、顧客を誘導するアプローチの 1 つです。ブランドとの唯一無二のジャーニーを提供することにより、毎回のインタラクションが適切でタイムリー、ニーズにマッチしたものになります。そのためには、テクノロジーを使用したカスタマージャーニーとは何かを理解する必要があります。

企業が従来のアプローチから進化し、パーソナライゼーション、ジャーニーオーケストレーションへ発展すれば、ビジネス中心の考え方から人中心の考え方への変革が起き、カスタマーエクスペリエンス(CX)を最大化することができます。このブログでは、そのような進化について解説します。このような進化は、AI ベースのエクスペリエンスオーケストレーション・プラットフォーム、ツールを活用しなければ不可能です。

目次

 

カスタマージャーニーが重要である理由

カスタマージャーニーとは、従来のマーケティングファネルから進化した、顧客が商品やサービスを知ったところから、購入・利用し、評価、拡散、再購入するなどの流れを「旅」になぞらえたマーケティング用語です。近年、デジタルトランスフォーメーション、機械学習、人工知能(AI)の発展(「Meet the Future with AI-Powered Experience Orchestration」)により、ジャーニーマネージメントが大幅に進化しました。これまで、企業は主にセールスファネル・ジャーニーに主眼を置き、認知から購入へ顧客を誘導していました。しかし、カスタマージャーニーはセールスファネルの枠を超え、企業のカスタマーライフサイクル全体に広がっています

今日のエクスペリエンスオーケストレーション・プラットフォームは膨大な量の顧客データを分析し、リアルタイムに実行可能なインサイト機能を搭載しています。この機能を活用すれば、例えばマーケティングキャンペーン、メッセージング、コンテンツを個々の顧客の情報、行動、傾向に適応させることができます。

ジャーニーオーケストレーションを活用することにより、顧客が体験するジャーニーを継続的に調整(「Evolve CX with Customer Journey Mapping and Analytics」)して、毎回のインタラクションを最適化し、可能な限り効果的でシームレスなものにすることができます。

顧客の意図や事業への影響をリアルタイムに把握することで、継続的な成功のサイクルを実現することができます。しかし、スムーズなジャーニーを実現するためには、リアルタイムの調整も必要です。

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社内の課題への対処

マルチチャネルのジャーニー最適化における課題は、ほとんどの企業が営業、マーケティング、製品、カスタマーサービスなど、職能別の組織で構成されていることです。

このような組織構造では、同じ職能内ならコミュニケーションやプロセスの実行が可能ですが、顧客エンゲージメントを把握しようとすると、複数の職能の連携が必要なため、問題が生じます。

そのため、各タッチポイントで顧客が迷路に迷い込んだような事態になりがちです。また、顧客に自分の情報や意図を企業に何度も説明させることになるため、強いフラストレーションを引き起こし、顧客ロイヤルティが大きく損なわれます。必要なのは、ジャーニーをスムーズに変えるための設計図です。

異種データをカスタマージャーニー・データに変換

イベントデータ・プラットフォームは、インタラクションデータを収集、整理、増補することが可能です。インタラクションデータを微調整し、作成したカスタマージャーニーマップ(カスタマージャーニーを可視化したマップや図)に基づいて、抽出、分析、実行可能なジャーニーデータへ変換します。ジャーニーマネージメント機能を使用すると、そのジャーニーがどのように実行されているかを確認し、インサイトをもとに対策を講じることができます

例えば、企業とデジタルインタラクションを行った顧客が 1 日後に電話をかけてくることがあります。その場合、ボットを経由せずにオペレーターに直接話すか、シンプルなセルフサービス・プロセスを利用する方が理想的です(「When You Should Be Anti-Self-Service in Customer Service」)。このプロセスをオーケストレーションするには、顧客の行動に関する情報と、ジャーニー全体のパターンの検討が必要です。このように行動と意図を詳細に検討することは、ジャーニーの健全性と関連性の診断に役立ちます。

 

顧客の全体像を把握するためのカスタマージャーニー・マネージメント

顧客はそれぞれの目的に向かって自分のジャーニーを進んでいきます。企業の予測や意図は考慮されません。

しかし、顧客の全体像を把握すれば、企業はそのジャーニーを適切にオーケストレーションできます。そして、ジャーニーオーケストレーションの効果が最も発揮されるのが、包括的なカスタマージャーニー・マネージメント・アプローチを取り入れたときです。その仕組みを確認しましょう。

ジャーニーマネージメントは、各タッチポイントにおける単一のインタラクションを最適化するのではなく、顧客が目的を達成しようとしている際に進む道筋に主眼を置きます(「Customer Journey Management: Comprehensive Guide」)。カスタマージャーニーのさまざまなポイントで何が起きているのか、何のパフォーマンスが低いのか、それはなぜなのかを明らかにします。

このような顧客の行動の道筋を視覚化すれば、それを測定、監視、分析することができます。また、このインサイトを活用して対策を講じることができます。さらに、次のステップで最適なアクションを実行するためにジャーニーをカスタマイズすることや、インサイトをにフィードバックして、これらすべてを実行することができます。

効果的なジャーニーマネージメントは、カスタマーエクスペリエンスの向上を目的とした社内の連携を促進し、カスタマーエクスペリエンスを社外からの視点でとらえるための基盤にもなります。

カスタマージャーニー・オーケストレーションにより、企業は顧客一人ひとりの目的とカスタマーエクスペリエンス全体に即したインタラクションを実現し、ジャーニーの成果を向上させられます。ジャーニーの最適なポイントにおいて、最も効果的なチャネルを通じ、リアルタイムに見込み顧客や顧客を獲得できます

オーケストレーションは各顧客のエクスペリエンス全体を利用するため、企業はカスタマージャーニーの改善策を判断し、成果を促進し、詳細なレベルにまでパーソナライゼーションを実現できます。

カスタマージャーニーのマッピングと分析

カスタマージャーニーのマッピングは、顧客がある目的を達成しようとしている際の、あらゆるタッチポイントにおけるカスタマーエクスペリエンスを視覚化して伝達するための手段です。マッピングすることで、企業は顧客の行動に関するインサイトを獲得し、ジャーニーの各段階を最適化できます。

最初に、どのジャーニーを管理、追跡するかを決定します。顧客、顧客の目的、それを達成するためのジャーニーを中心として事業全体を調整して初めて、企業は顧客の行動に対する理解を深め、多くの情報に基づいて CX の最適化に関する意思決定を下すことができます。

次に、ジャーニーをいくつかのブロックに分けてマップを作成し、高いコストが生じているブロック、顧客に価値を提供しているブロックなどに注目します。最初に重点ポイントを決めておくと、カスタマーエクスペリエンスのパーソナライズ設計が容易になります。完成したマップは、カスタマージャーニー全体を最適化するための骨格となります。

顧客の行動を可視化できたら、それがにどのような影響を与えるかを評価します。ジャーニーを分析することで、質問に迅速に回答し、データに基づく意思決定を行えるようになります。

CX リーダー達は以下を使って、パフォーマンスを把握し、各ジャーニーの成功を予測しています。

  • ジャーニーのマイルストーン
  • ジャーニー内シグナル
  • ジャーニーの成功指標

コンバージョン、ネットプロモータースコア(NPS)、顧客満足(CSAT)、無行動、経過時間など、さまざまなジャーニー内指標があります。企業はどの指標であれば、各ジャーニーの成功を決定付ける重要なタイミングを評価できるのかを精査する必要があります。ジャーニーの成功は、ジャーニー終了時の指標(満足度、完了率、コスト、エフォートスコアなど)に基づいて算出されるジャーニースコアで確認できます。

指標が変動する場合、何がうまくいっていないのかを組織全体で精査し、特定する必要があります。関連する成果(カスタマーエフォート、初回解決率 = FCR、サービスコストなど)への影響も簡単に予測できなければなりません。これらの情報があれば、いつでも対策を実行し、エクスペリエンスと成果を最適化することができます。

コールセンターの重要指標とKPIについてはこちらの記事も参照してください。

 

ジャーニーマネージメントからエクスペリエンスオーケストレーションへの進化

ジャーニーマネージメントは、顧客をポイント A から B に誘導する方法の設計図となります。企業は障害となっている個所とその回避法を把握できます。これに対し、訪問者が迅速に目的を達成できるようにするために、データ、インサイト、テクノロジーの調整をガイドするのが、エクスペリエンスオーケストレーションです。

AI ベースのエクスペリエンスオーケストレーションは、プロセスを自動化し、エンドツーエンドのカスタマーエクスペリエンスを最適化します。データ、分析、自動化、人ことにより、企業はらゆるタッチポイントにおいて、適切な情報を、適切なタイミングで、適切な顧客に提供できるようになります。このレベルまでパーソナライゼーションできれば、顧客一人ひとりが理解され大切にされていると感じられるエクスペリエンスが実現します。

カスタマージャーニーを分析し、明らかになったインサイトを活用すれば、企業はシームレスにエクスペリエンスをオーケストレーションして、顧客の期待を超えることができます(「Everything You Need to Know About Customer Journey Analytics」)。最終的に顧客満足度やロイヤルティの向上、顧客との長期的な関係を実現できます。

 

成果に直結する、ジャーニーオーケストレーション

カスタマージャーニー・オーケストレーションは、企業にとって強力な差別化要因のひとつです。顧客とのインタラクション方法や、エクスペリエンスの質を左右するからです。

カスタマージャーニー・オーケストレーションは、ジャーニーマネージメント・プログラムの重要な要素であり、綿密な計画策定、戦略的思考、継続的な最適化によって実現が可能です。また、企業独自のビジネスニーズやターゲットオーディエンスをサポートするためには、適切なツールやエクスペリエンスオーケストレーション・プラットフォームが必要です。

顧客に快適で有意義なコネクテッドエクスペリエンスを提供し、顧客の目的達成をサポートできれば、企業はビジネス目標を達成するだけでなく、信頼とロイヤルティを獲得できます。

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エクスペリエンスオーケストレーションを活用してカスタマージャーニーを変革する方法