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Enterprise Connect 2022 は、セッションから会場まで、最新のカスタマーエクスペリエンス(CX)戦略、テクノロジー、トレンドに関する話題で溢れかえっていました。私が参加した十数件の基調講演と分科会、そして 20 件近いインタビューを通じてわかったことは、これから述べる 3 つのテーマが非常に注目されていたということです。.
実際、人工知能(AI)を使って顧客体験と従業員体験の両方を支援・改善するメリットは数多く、インパクトも大きいです。AI は、大規模なパーソナライゼーションの自動化から、既存の CX ツールの性能向上、ボットなどの新技術の活用支援まで、あらゆることを可能にすると、Omdia の主席アナリスト、デビッド・マイロンは、セッション “Where AI pays off in the Contact Center” で指摘しています。
Omdia の新しい調査によると、CX の担当者は、ソーシャルリスニングとチケッティング(80%)、品質管理と顧客満足のためのデジタル顧客接点分析(71%)、インテリジェントコールルーティング(65%)に AI を使用することに「大きな価値」を見出していることが明らかになりました。また、回答者は、発信者の意図を理解するためや、チャットボット、品質モニタリングの分析のためにも AI を使用しています。
これらの企業は、AI を活用することによって、ソーシャルチャネルでの顧客への効率的かつ効果的な対応、より複雑でパーソナライズした広範なデジタル顧客への対応管理、そして非常に複雑な対応を最も適切なエージェントにルーティングするなどの課題を克服しています。その過程で、企業は平均処理時間を短縮し、初回コンタクトの解決率を高め、顧客満足度を向上させています。2021年にエコノミスト・インパクトが CX リーダーを対象に行った調査でも、AI の最大のメリットは、顧客満足度、顧客ロイヤルティ、生涯価値の向上であることが明らかにされています。
AI は従業員の体験にもメリットをもたらします。「 AI がコンタクトセンターに定着することで、顧客とのやり取りにおいて複数の技術に長けた “スーパーエージェント” が現れるでしょう。」とマイロン氏は言います。Economic Impact による調査もこれを裏付けており、AI リーダーと認定された企業の約 3 分の 2 は、従業員のキャリアアップ能力を特定するためにこの技術を利用しています。
CCaaS(Contact Center as a Service)と UCaaS(Unified Communications as a Service)は、シームレスに統合されるようになってきました。そして、それは祝福すべきことだといえるでしょう。
このコンビネーションは、企業がよりつながりのある、適切な顧客体験を提供するのに役立ちます。コンタクト履歴から、AI によるスクリーンポップ、インスタントメッセージング、画面共有まで、これらのインタラクションテクノロジーを融合することで、オペレーターをより深くサポートし、顧客とのインタラクションを強化することができるのです。そしてそれは、組織全体がお客様との距離を縮めることになります。
「CX は組織内の全員の責任であるべきです」と、COMMfusion の社長兼主席アナリストであるブレア・プレザントは、パネルセッション「UCaaS plus CCaaS」の冒頭で述べました。何が本当で、何が誇大広告で、何が次に来るのか? 顧客体験は、コンタクトセンターのオペレーターだけの責任ではなく、企業全体に及ぶべきだと、彼女は付け加えました。
CCaaS と UCaaS を組み合わせることで、プレザント氏がいう「コラボレーションコンタクトセンター」の実現が可能になります。データとシステムをリンクさせることにより、エージェントがより簡単に同僚と連携して顧客の問題を解決できるようにすることができるのです。このコラボレーション能力によって、企業は「コンタクトセンターになる」ことができる、と彼女は言います。
CCaaS と UCaaS の統合を推進する要因はいくつかありますが、そのひとつは、クラウド・テクノロジーで提供される CX へのシフトです。もうひとつは、ハイブリッドワーカーモデルへの対応です。そして、最大の要因となるのが、最顧客と従業員の双方に より良い体験を提供することです。
ジェネシスのプロダクト・マネジメント担当副社長であるジャック・ニコルズは、以下のようにセッションで述べています。「顧客をビジネスの中心に据える場合を考えてみましょう。そのためには、オペレーターが顧客と最初に接触する時点で、問題を解決できるような情報へのアクセスできるようにする必要があります。」
ジェネシスが行った CX に関するグローバル調査では、参加した消費者の半数以上が、「サービスでのやり取りにおいて最初の接触による解決を最も重視する」と回答しています。
ニコルズは、オペレーターがすべてを知ることはできないし、すべての情報にアクセスできるわけでもないことを強調しました。時には、組織内の他の場所からのリアルタイムの知識や、専門知識が必要になることもあります。「 CCaaS と UCaaS を統合することで、オペレーターのフラストレーションは軽減します。オペレーターは専門家に連絡を取ることができるため、組織全体のコラボレーションが向上し、オペレーターはチケットに対応することができるようになります」と、ニコルズは述べています。「ビジネス、テクノロジー、そして創造性の交差点では、驚くべきことが起こるのです。」
リーデン・アソシエイツの創設者兼社長であるコンサルタントのスティーブ・リーデン氏は、パネルディスカッション「なぜクラウドに移行しないのか?そのリスクとは?」で、「クラウドは、オンプレミス型システムの売り上げを上回っている」と述べました。それは驚くべきことではありません。クラウド移行のメリットは数え切れないほどあり、ROI の改善は明らかです。
会議では、大幅なコスト削減、変化する技術トレンドへの対応の容易さ、チャネルを超えたデータへのアクセスの向上などの利点が議論されました。また、クラウドは、インテリジェントな予測技術を導入することで、顧客と従業員の両方の体験を向上させる機会を生み出します。
Genesys のマルチクラウド製品管部門、シニア・バイス・プレジデントある トッド・フェイマス氏は、メインステージでの講演で、「企業は、より緊急かつ迅速にクラウドに移行しています」と述べています。クラウドへの移行は、スピード、継続性、セキュリティの面で、より多くの実証が得られています。
「CX の現状レポート」によると、CX リーダーの約半数が、「CX をクラウドに移行する最大のメリットは、セキュリティと事業継続性の向上である」と考えています。カンファレンスで共有されたクラウドに関するアドバイスの中で最も多かったのは、「待ったなしで、すぐに移行するべき」というものでした。さもなければ、競合他社に取り残される恐れがあるのです。
CX テクノロジーの需要は高まっています。調査対象の CX 担当者の 60% 近くが、2022 年は前年比で 18% 予算を増やす予定であると Omdia のマイロン氏は指摘します。そして、「その多くはオムニチャネルの顧客エンゲージメントに費やされる」ということです。
McGee-Smith Analytics の創設者である シーラ・マギー・スミス 氏は、「Locknote」のクロージングパネルにおいて、「コンタクトセンターでは過去 2 年間に多くの修正が行われましたが、現在では、企業はこれを一旦停止しています。今は、これらの技術すべてをどのようにまとめていくかを決定しようとしているのです」と述べました。企業は、AI、クラウド、デジタル、CCaaS、UCaaS など、CX テクノロジースタックを構築する際に「全範囲を網羅するツール」を考慮する必要があると、彼女は付け加えています。
ベンダーには、テクノロジーを導入しやすく、使いやすくする責任があると、マギー・スミス 氏は指摘します。同時に、企業はテクノロジーを使って顧客と従業員の体験を再構築し、双方が好む関わり方と、相互作用をよりよくサポートする必要があります。
80% の消費者は、「企業が一貫して自分たちの体験をパーソナライズしてくれるなら、より多くの人に紹介し、より頻繁に消費する」と答えています。また、AI を活用してオペレーターの体験を向上させている企業の半数以上が、生産性とエンゲージメントを向上させています。
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