2020年ほど、「必要は発明の母である」という有名なことわざの意味を実感した年はないでしょう。米国の景気回復が待たれる中、多くの企業はニューノーマルへの対応に追われています。Genesys CloudTMを利用しているCompany Nurseは、このような時にこそ他社と差別化を図るべきと考えました。

新型コロナウイルス感染の拡大が始まった頃、看護師による労災補償トリアージを提供する同社は、廃業する多くの企業を横目に、事業の安全な再開を模索していました。Company Nurseがたどり着いた結論は、困難な時期に顧客を助けるために、同社の技術力と専門医療スタッフを新たな方法で活用することでした。

多くの企業が事業再開を、従業員は仕事への復帰を希望していますが、コロナウイルスへの恐怖や安全対策への不安は解消されていません。事態を複雑化させているのは、労働安全衛生局(OSHA)と疾病予防管理センター(CDC)が、所定のガイドラインに従い、安全な職場維持に関する文書の提出を要求していることです。企業は「記録対象の疾病」の記録を義務付けられていますが、対応できている企業は多くありません。ほとんどの企業は、人事担当者に従業員の健康チェック、記録を一任しています。

Company Nurseは、顧客企業の支援策として、従業員の安全な職場復帰、人事担当者の負担軽減、政府からの新しい要求への対応が必要であると認識しています。このため同社は「100万人の従業員を安全に仕事に復帰させる」という高い目標を掲げ、イノベーションを進めました。

そこで、Company NurseはGenesys Cloudプラットフォームを使用して、screen by Company Nurseを開発しました。これは、新型コロナウイルス感染症のデジタルスクリーニングとトリアージに関する、画期的なガイダンスソリューションです。この新しいサービスは、従業員、顧客、ベンダー、訪問者、学生など、職場に入る全員に対して、バーチャルなスクリーニングを実施します。従業員は登録看護師から専門的な指導を受けることができ、新型コロナウイルス感染症に関連した症状や、濃厚接触の有無を常に監視されます。指定された連絡担当者は、カスタマイズ可能な管理ポータルを通して、リアルタイムレポートを閲覧できます。最も重要な点は、企業自身が安全な職場環境の維持に寄与している、という安心感を得られることです。

Genesys Cloudを活用しているCompany Nurseは、同社の新型コロナウイルス感染症トリアージプラットフォームとGenesys APIを連携させ、モバイルデバイス用スクリーニングツールからコールバックする機能を作成して、登録看護師(RN)への通話を自動的にキューイングできるようにしました。新型コロナウイルス感染症に関する電話は、スキルベースのルーティング機能によりRNに直通でつながります。通話はすべてGenesys Cloudプラットフォームで処理されます。

以下は、スクリーニングサービスの仕組みです。

  1. 従業員は、企業のカスタムURLまたはQRコードを使用して、モバイルデバイスからスクリーニングサービスにログインします。
  2. 初めてログインする従業員は、登録後にプライバシーポリシーの確認を求められます。
  3. ログイン後、CDCの最新のガイドラインにもとづき、新型コロナウイルス感染症の症状や、ウイルスへの接触に関する質問が行われます。
  4. 回答にもとづき、30秒以内に従業員の合否が判定されます。
  5. 次の手順が指示され、通常どおりに勤務できるか、治療などに関するアドバイスを受けます。

このプロセスを促進するために、Company Nurseは、Google Dialogflowボットをサービスに組み込んでいます。Genesys Cloudプラットフォームは、チャット、Google Virtual Agent、コンテンツ管理などの機能を1つのソリューションで利用可能にします。短時間で実装、簡単に更新できるため、状況が急速に変化する新型コロナウイルス感染症に確実に対応することができます。

困難な時期にこそ、企業にはイノベーションの活用が求められます。ジェネシスは、100万人の従業員を安全に仕事に復帰させるという、Company Nurseの取り組みをサポートできたことに誇りを感じています。

Company Nurseの最高技術責任者(CTO)、ヘンリー・スベンドブラッド氏のインタビューは、ジェネシスのポッドキャストTake a Momentでお聞きいただけます。Company Nurseによるスクリーニングや、同社の活気溢れる企業文化を知ることができます。