「アドバイザーはワンクリックで簡単に、電話と Web メッセージングの切り替えやビデオ通話へのエスカレーションができます」とコクワス氏は説明します。「毎月 1 万 5000 件ほどのビデオ通話でお客様と会話しています。その多くは、新居の購入や家族の死など、感情の大きな動きを伴うライフイベントです」
マッチングの向上、最高の体験
パーソナライゼーションと顧客の負担軽減も Rabobank の優先事項です。例としては、顧客と住宅ローンアドバイザーが、シームレスにインタラクションできるよう、同行の CRM システムは電話の発信者を識別し、可能な限り同じ担当者に直接転送します。顧客の目的に応じたスマートなルーティングルールがここで重要な役割を果たします。このルールは、顧客との会話をどの時点で引き継ぐかを判断し、最適なチャネルと最適なアドバイザーへ顧客をつなぎます。そうしたルールは、顧客心理(音声認識分析を使用)、現在の製品と価値、クロスセルやアップセルの機会などの要因を検出します。また、待ち時間、スキル、対応可能なリソースを適切なタイミングで問い合わせとマッチさせます。
顧客一人ひとりの状況に対応
銀行の新しいクラウドコンタクトセンター・プラットフォームは、耐障害性と俊敏性を向上させ、ビジネス、クライアント、従業員のコストとリスクを大幅に削減します。また、Rabobank は新しい部門に簡単にオンボードし、チャネル、機能、サービスを追加して、競合他社よりも速く顧客にイノベーションを提供することが可能です。「Web メッセージングは 25% 効率的(電話対応と比較)であるため、オペレーターを増員することなく多くの顧客に対応できます」とコクワス氏は話します。「ビデオ通話の導入以降、住宅ローンの新規契約が大幅に増加しています。」音声からデジタルファーストの会話型バンキングへと移行することにより、利便性が向上し、カスタマーエクスペリエンスが改善します。バーチャルアシスタントは、24 時間 365 日休むことなく、全質問の約 45% に回答しています。Web メッセージングの量は、全インタラクションの 15%から 20% に増加しています。こうした改善により、これらのデジタル・チャネルの顧客満足(CSAT)は 90% 以上に達しました。
労力削減、エンゲージメント向上、従業員満足度向上
単一のオムニチャネルソリューションへの移行は、同行の売上、最終収益、パフォーマンス KPI にプラスの影響を与えました。オンプレミスのシステムを廃止したことにより、年間のハードウェアコスト 75 万ドルと IT スタッフの人件費 150 万ドルが削減されました。新機能やルーティングポリシーなど業務に関わる変更には、これまで 4 週間ほど要していましたが、数日で導入できるようになりました。「相手がオフラインでも返信できる非同期の Web メッセージングの導入以降、時間も手間もかかるライブチャットのキューが溜まることがなくなりました」とコクワス氏は言います。「また、お客様をキューに保持できるため、オペレーターとお客様、両方の負担が軽減されます。会話は簡単に再開でき、最初からやり直す必要がありません」