ニューノーマルを支援するクラウドテクノロジー

企業が通常とは異なる状況にある場合、テクノロジー戦略が非常に重要になります。そして、コールセンターに関しても、ITチームが適切なテクノロジーを提供することが重要です。これにより、オペレーターはカスタマーエクスペリエンス (CX) をパーソナライズするためのツールを確保できるのです。

社外の多くの人々が、IT に関する意思決定に影響を与えます。競争上のプレッシャー、急速なデジタル化、常に混乱の中を進まなければならない状況。あらゆる事柄が関与します。また、混乱が大きすぎる場合、波及効果も大きくなります。

例えば、すべてのオペレーターがテレワークになった場合、対応を変える必要があります。適切なクラウドソリューションは、これらすべてを統合します。しかし、そのソリューションを見つけるためには、いくつかの点を検討する必要があります。これは、IT リーダーが選択肢を注意深く検討しなければならないことを意味します。IT リーダーは、すべての関係者のニーズを満たすソリューションを見つける必要があります。

まずは、ここから始めましょう。
在宅オペレーター戦略をサポートする「クラウドベースのコールセンター」に必須の6つのテクノロジーをご検討ください。

1. 再現を超えるイノベーション

Forrester のアナリスト、イアン・ジェイコブス氏は、記事パンデミック下で構築を余儀なくされたものではなく、理想とする在宅コールセンターを計画する」において、分析を通じたイノベーションの重要性について語っています。最初は、多くの企業が「正確さよりもスピードを優先させる」必要がありました。しかし、今はこれを見直す時に来ています。企業は、成功したことと、失敗したことを分析できます。また、その情報を自社の先進的なテクノロジー戦略に使用することもできます。

従来のコールセンター業務を「リモート化する」ことが解決策ではありません。これは、クラウド・コールセンターのテクノロジーにも当てはまります。クラウドで、オンプレミスと同じソリューションをホスティングすることは、持続可能ではありません。ここでは、長期的に必要なインフラストラクチャーを構築することはできません。制限、コスト、時間を拡張して、新しい要件に適応させるだけです。

代わりに、変化に対応できるよう設計された最新のサービス型ソフトウェア(SaaS)アーキテクチャーに移行しましょう。このソリューションにより、迅速なイノベーションが可能になります。オンプレミスでホストされるソリューションとは異なり、(パブリッククラウドとも呼ばれる)クラウドに組み込まれた API マイクロサービスアーキテクチャーには、以下の機能があります。

  • リモート機能をより簡単にサポート。地域特有の運用をシフトさせ、お客様からの予期せぬ問い合わせの急増に対応。
  • イノベーションに即座にアクセスできる継続的な導入アプローチを提供
  • 他のシステムと容易に連携して、毎月数十億件の API 通話処理に対応。
  • 実績ある耐障害性、拡張性、セキュリティー

2. 信頼と慎重な検証

最新の ContactBabel の調査によると、セキュリティーと不正行為に対する懸念が、在宅勤務への移行を阻害しています。実際、回答者の 41% が、これを最大のハードルと呼んでいます。

2 つの側面からセキュリティーを検討しましょう。まず、リモート場所のセキュリティーを確保します。次に、チームがセキュリティーを維持するための専門知識を持っているかどうかを判断します。

パブリッククラウドは、テクノロジーの世界で最も安全な場所の 1 つです。しかし、それでもなお、慎重に精査することが重要です。これにより、どのようなクラウドアプリケーションであっても、お客様、運用、コンプライアンスの安全性を維持することができます。

適切なクラウド・コールセンター・ソリューションは、セキュリティーのパートナーです。セキュリティーのリスクを軽減するだけではなく、潜在的なセキュリティー問題も取り除きます。

クラウドへの移行を検討する際は、以下の重要なセキュリティーパラメーターにご留意ください。

  • グローバルな展開。データの主権が保証されます。これには、居住国の法律に準拠したデータのコンバージョン、保存、セキュリティーが含まれます。
  • データのセキュリティー。データがプロバイダーネットワーク内で利用される場合、またはクラウドサービスでやり取りされる場合に該当します。TLS や AES256 などの暗号化プロトコルにより、安全な接続と暗号化を保証します。個別の暗号化キーを使用して、通話および画面の記録を所有するお客様のみが暗号を解読できます。マルチテナント環境では、特定のセキュリティーが提供されます。仕切りと制御により、各組織のデータは完全に分離した状態で維持されます。このため、該当する組織のデータにのみ安全にアクセスできます。
  • アクセス制御。適切な権限と正当なビジネス要件を持つユーザーにのみデータアクセスを許可します。許可されたユーザーは、多要素認証(MFA)を使用してクラウド環境にアクセスします。すべてのユーザーアクティビティーが記録され、追跡されます。アクセスは特権ユーザーが定期的に確認します。これには、最小権限の原則と、ロールベースのアクセス制御によるアクセス許可が含まれます。
  • アプリケーションのセキュリティー。開発チーム、およびソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)に適用されます。検証ステップを含むアジャイル開発プロセスを使用します。SDLC 全体をテストし、Web アプリケーションのセキュリティーについて、チームをトレーニングしましょう。リリースされるコードは、継続的なテストとレビューの対象になります。オープン Web アプリケーション・セキュリティー・プロジェクト(OWASP)や、SANS Top 25 などのリソースと方法論を活用したコードスキャンや侵入テストを使用します。
  • コンプライアンス。ソリューションに不可欠なサードパーティー認定があることを確認します。例えば、PCI、SOC2 Type II、ISO 27001、ISO 27018、HIPAA、Privacy Shield、GDPR、CCPAなどです。
  • 障害耐性。パブリッククラウド・インフラストラクチャーに基づく信頼性の高いサービスを探します。クラウドソリューション・プロバイダーが提供する公開ステータスページには、付加的なメリットがあります。

3. デジタル化を実現

企業では、外出先で利用するデジタルチャネルが追加可能でなくてはなりません。コストと時間のかかるカスタマイズを行うべきではありません。そのため、テクノロジーリーダーはシンプルなデジタル体験を実現するツールを提供する必要があります。

ITチームは、企業のボリューム管理改善と、高品質なカスタマーサービス維持を支援できます。これは、導入が容易でカスタマイズ可能なデジタルチャネルを提供するクラウドソリューションで実現できます。これには、使用量の増加に応じて段階的に導入できる柔軟性も必要です。

シンプルなチャットの自動受付とWebチャットは、こうした目標の達成に効果的です。ストレスを感じているオペレーターや、負荷の高い在宅勤務オペレーターの負担を軽減できます。これにより、オペレーターは接続性や周囲の騒音などの新たな問題をより適切に管理できます。

さらに、豊富なセルフサービス機能により、自動化を容易に追加できます。人工知能(AI)を利用したボット、ソーシャルチャネル、プレディクティブWebエンゲージメントにより、ビジネスチャンスを逃しません。このようなAIを利用した機能は、変化が多く不確実な時代において、重要性が高まっています。

音声テレフォニーを運用しているルーティングエンジンが、デジタルチャネルに適用されます。総合的なカスタマージャーニーと連携した信頼性の高いデータを確保できます。その結果、クリーンなデータが生成され、ITチームが整合性を取りながらデータを組み合わせる必要がなくなります。

4. 業務をより快適に

クラウドソリューションにより、顧客からの要求の変化と新たなビジネスニーズを、IT 部門が容易に適応できるようになります。また、サーバーの稼働や、ソフトウェアの更新を心配する必要もありません。

  • 管理が容易。システムの設定とメンテナンスを、これまでより容易に行うことができます。直感的に操作できる単一のインターフェースで、トレーニングにかかる時間を短縮します。また、更新のインストールのためにシャットダウンをする必要はありません。
  • 開発が容易。標準設定では不可能な連携を構築するオープンな API の幅広いセットを探しましょう。このような API を使用することにより、他のアプリケーションに機能を組み込み、カスタムインターフェースを構築します。最新のクラウドソリューションは、これらのAPI を基盤としています。これにより、プロバイダーのインターフェースを使用するか、独自のインターフェースを構築するか、その両方かを選択できます。
  • 拡張が容易。パートナーエコシステムにおいて、テスト済みのアプリを迅速・簡単にインストールし、使用することが可能です。このため、クラウドプラットフォームのさまざまな拡張機能にアクセスすることができます。リアルタイム分析ダッシュボードなどのアプリケーションを活用して、予測とスケジューリングを改善します。

5. 管理をより簡単に

テレワークにおける最優先事項はセキュリティーですが、オペレーターの管理も考慮すべき課題です。距離があるからといって、関係が切れているわけではありません。

オペレーターがリモートで作業する場合、コラボレーションやビデオ通話などのコミュニケーションツールが重要になります。これらのツールを使用することにより、オフィス外でもコーチングやトレーニングを継続できます。

さらに、AI を利用したツールがリアルタイムでガイダンスを提供します。また、通話の背景に加え、完全なレポートと分析も提供します。これにより、在宅勤務のオペレーターの生産性と自主性が向上し、より優れたサービスを提供できます。

同一のクラウドプロバイダーから、ワークフォースエンゲージメント管理(WEM)とコールセンター関連ツールを入手します。これにより、カスタム連携を維持する労力とコストを削減し、IT チームの負担を軽減できます。また、コールセンターのスタッフが、仮想環境での運用全体のパフォーマンスをスケジュール、追跡、管理できるようになります。

これらの重要な機能を、あらゆる先進的なコールセンター・テクノロジー戦略に組み込みます。これは IT リーダーにとっての成功であり、その結果、チームの業務はさらに快適になります。

6. 迅速な導入、容易な拡張、飛躍的な成長

最新のクラウドソリューションは、素早く容易に立ち上げて稼働させることができます。また、ユーザーが長期的な目標に集中できるようサポートします。長期にわたるテクノロジー導入サイクルは、土壇場では機能しません。在宅勤務のチームを迅速に立ち上げて稼働させる必要がある場合、これを可能にするテクノロジーが必要です。月単位ではなく日単位(または時間単位)で導入できるソリューションを探します。

ジェネシスは、3 カ月間で 50 万人を超えるコールセンターのオペレーターに対し、自宅から消費者向けのサービス提供を継続する準備を整えました。

  • ある大手金融サービス会社は、数日で 1 万人近くの社内オペレーターをテレワークに移行しました。同社は、さらに 5000 人のコールセンターオペレーターを在宅勤務に移行する予定です。これに加えて、お客様との取引記録は倍増し、300 万件に増加しました。
  • Fortune 50 にランクインしている、あるソフトウェア企業は、新型コロナウイルス感染症流行地域のコールセンターを閉鎖し、その後、すべての通話業務を他国に移しました。この変更に対応するため、同社は IVR と再バランスルーティングを更新しました。さらに、世界中の数千人のオペレーターを数日以内に仮想業務環境に移行しました。
  • ある大手政府機関では、1 日で 3000 人のオペレーターをテレワークに転換することに成功しました。また、3 日間で 400 人の新規オペレーターに対し新人研修を実施しました。

「3 つのコールセンターの全オペレーターは、現在リモートで仕事をし、生産性レベルを維持しています。Genesys Cloud なしでは悲惨な結果を招いていたでしょう。Genesys Cloudへの追加投資はすでに回収できました」

Paul Bourdeux

Vice President of Information Systems

eFinancial

従来のソリューションは、動的な成長向けには設計されていませんでした。維持にオーバーヘッドコストのかかる、事前に計算されたフェイルオーバーシステムが必要でしたが、これらのコストはグローバルな顧客基盤にリーチするために適用されると倍増します。多額の稼働コストをかけずに急激な成長に対応できるよう、拡張可能でなくてはなりません。

クラウドネイティブのアーキテクチャーは、追加のオーバーヘッドコストなしで、お客様の要求に合わせて自動的に拡張できます。大規模な複製や配信にもグローバルに対応します。これにより、システム停止に対する耐障害性が標準で保証されます。

適切なクラウドソリューションが成長と拡張をサポートします。クラウドに移行することにより、在宅ワーカーをサポートする新しい機能を追加できます。これには、AI を利用したアプリケーションやその他の中核的なビジネスソフトウェアとの連携が含まれます。加えて、クラウドによりイノベーションへの継続的なアクセスが保証されます。

ニューノーマルへの準備

効果的な在宅勤務戦略にむけて、コールセンターのテクノロジーを発展させることに、時間をかける必要はありません。クラウドソリューションは、高速化とコスト削減のメリットをもたらすだけでなく、成功に必要なツールへのアクセスも可能にします。クラウドソリューションは、コールセンターの先進的な戦略の一部である必要があります。

適切なクラウドソリューションは短期的な成果を提供し、長期的な成功の基盤を提供します。

Genesys Cloud の卓越した CX ソリューションをご活用ください。

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