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新しいテクノロジーのほとんどは、いずれ陳腐化したり、不要になるものですが、アウトバウンドダイヤラー(クラウドベースのアウトバウンドコール業務効率化システム)は数少ない例外と言えるでしょう。アウトバウンドダイヤラーは、何十年にもわたってコールセンター、コンタクトセンターで使われており、いまでも運用に不可欠な存在です。しかも、収益の改善においてさらに大きな役割を果たすようになっています。
アウトバウンドダイヤラーは実際、クラウドや人工知能(AI)機能の進歩に合わせて進化を続け、グローバルな規制要件にも準拠しています。これらの進化はすべて、顧客エクスペリエンスの向上を目的に進められているのです。
現在、アウトバウンドダイヤラーには多くのポテンシャルが秘められています。
アウトバウンドダイヤラーは、リアルタイムの機能が豊富なうえ、組織全体で効率的、包括的なアウトバウンドエンゲージメント(顧客が選んだデバイスやチャネルで顧客にリーチし、その声に耳を傾け、ニーズを理解すること)を可能にします。それでは、何十年も使用されているアウトバウンドダイヤラーが、なぜ AI ベースの世界で重要な役割を果たすのか見ていきましょう。
目次
金融機関は、コールセンターでアウトバウンドコールシステムを頻繁に使用しています。住宅ローンや貸付を取り扱う機関であれば、融資管理業務が存在するでしょう。つまり、期日を超過したアカウントのフォローアップを担当する債権回収チームがあるはずです。
また、顧客にローンやクレジットカードの債務がある場合には、顧客側からの電話を待つことなく連絡する必要があります。そのため、金融機関はインバウンドよりもアウトバウンド機能(多くの場合、コールセンター用のオートダイアラー・ソフトウェア)にリソースを集中させています。
新型のアウトバウンドダイヤラーは、前世代よりも多くの機能を備えています。例えば医療業界では、利用者が予約をすると、電話、テキスト、メールで通知が自動送信されるため、非常に効果的であることが証明されています。
こうした予約リマインダーシステムに加え、医療機関には多数の関係事業者への請求部門もあります。他の部署でも同様のアウトバウンドが実施されています。アウトバウンドダイヤラーは、企業組織全体に価値をもたらす基盤とも言える存在なのです。
International Customer Management Institute の調査によると、幅広い業界において、自動ダイアルシステム導入により、アウトバウンド・コールの生産性が 50~100% 向上し、運用コストが 20~40% 削減しています。
それでも債権回収チームは、連絡のための「電話に最適なタイミング」を把握しかねています。電話は相手が簡単に無視できるためです。実際には、最適なタイミングとは、顧客が金融機関の Web サイトにアクセスし、自分の口座残高を確認している時です。その行動は、顧客が債務について積極的に考え、支払い方法について熟慮していることを示すものです。
このタイミングで自動的にアウトバンドコールし、コールに応答した時点でエージェントにつなぐ・プレディクティブ・ダイヤラーは、連絡に最適なタイミングの特定に役立ち、即効性があります。また、カスタマーサービス担当のオペレーターも、電話をかける最適なタイミングを把握することができます。前世代のテクノロジーでは不可能だったことが可能になったのです。
前世代のアウトバウンドダイヤラーサーバーはオフィス内に設定されており(オンプレミス型)、各企業は手動で、翌日に電話連絡する顧客のリストを作成していました。そして実際に翌日になると、その連絡先リストや電話番号の膨大なファイルを送信していたのです。この、ファイルが転送されてダイヤルシステムにで読み込まれるという「一括読み込み」プロセスは、極めて低速でした。
翌日、ダイヤラー・システムがリストの全顧客に連絡を試行しても、その多くは留守番電話につながるだけです。うまくいけば、一部の顧客に連絡がつき、応答が収集されます。
1 日の電話業務の終了後には、ファイルを再度、別の大容量ファイルとして抽出し、元のシステムに戻さなければなりません。すなわち、ファイルを構築し、インポートのうえ実行し、またエクスポートするという、3 日がかりのプロセスです。そして、多くの企業が今もこのアプローチを使用しているのです。
ジェネシスとSalesforce のように、 CRM との最新の統合であれば、そのようなファイルのインポートプロセスは全く不要になります。 ルールは Salesforce で設定済みで、状況が完了真、またはステータスが変更されるタイミングが定義されています。
これらのルールは例えば、API を介し、誰をキャンペーンに参加させるかを即座に指示してくれます。その結果、顧客満足度が大きく改善し、営業チームへメリットが波及します。リアルタイムで施策を実行できるからです。
例えば、お客様の”ジェーン”が電話をかけてきて何かを購入したとします。ジェーンは、保留中のアウトバウンド・キャンペーンのリストに入っていました。ここでルールが即座に適用され、購入済みの商品に関する連絡をしないよう、ジェーンはキャンペーンから削除されます。
従来のダイヤラー技術では、ソースシステムでバッチファイルが照合されるまで、少なくとも 24 時間以上が必要です。しかし現在では、呼び出し可能なレコードは動的です。
企業としては、カスタマーエクスペリエンスの向上に加え、メンテナンスとリソースのコスト削減も可能です。このネイティブなアウトバウンド・エンゲージメントタイプのダイヤラーは、現行プロセス内の複数の手順を効率化します。
AI の進化に伴い、企業から顧客への連絡手段は多様化します。例えば、顧客のジェーンが家電の新製品の保証を受けるとします。2040 年に、彼女がベンダーに電話で修理を依頼することはありません。
ジェーンがそもそも問題に気づく前に、AI ベースのセンサーが、何らかの問題が発生したことをベンダーに通知します。そしてアウトバウンドダイヤラーがジェーンに電話をし、見つかった問題について説明します。あわせて、修理や交換の担当者の訪問に都合のいい日時も尋ねることになります。
この概念は、公共サービスを提供している企業が現在送信しているシンプルな自動アラートとほぼ同じです。公共サービスを提供する企業は、アウトバウンドダイヤラーシステムの効果を十分に認識しています。
ダイヤラーシステムを利用することで、計画的または計画外のサービス停止時に、特定の顧客にサービス提供の問題を事前に伝えられるため、インバウンド・コール を抑制する事ができます。それが最終的には、従来は現場対応を要請しなければならなかったオペレーターの負担軽減へとつながるのです。
AI テクノロジーの成熟に伴い、プロアクティブなエンゲージメントがアウトバウンド機能を継続的に拡張していくことになります。そこでは、音声だけでなく、SMS やメールも利用されるでしょう。それぞれのタイプをいつ、どの目的で使用するのかというルールに従い、最適なものが選択されるのです。
似たようなことはワークフローの追加によっても可能ですが、AI はさらに進んだ機能を実現します。AI により、自動化されたコミュニケーションを地域や国の規制に確実に準拠させる、あるいは、それぞれの相手の居住地に合った適切なタイムゾーンでキャンペーンに組み込む、といったことが可能となります。
アウトバウンドダイヤラーは AI に不可欠なパートナーとなり、コンプライアンスだけではなく、再試行や通話分析にも対応することになります。再試行の結果も理解するようになるでしょう。
間もなく、プロアクティブな顧客へのリーチに関連する考慮事項を、ダイヤラーが認識できるようになります。しかもそれを、1 回限りの SMS や 1 回限りの音声通話などよりも優れた方法で実行できるのです。
新しいテクノロジーに移行する際には、慣れ親しんだプロセスからの変化について懸念が生じるものです。アウトバウンドダイヤラーに関しては、ファイルのバッチ処理、インポート、エクスポートに関する質問が多く見られます。
また、リアルタイムの更新実行によりアウトバウンドダイヤラーが停止するという誤解もありますが、これについては、Genesys Cloud のダイヤラーなど、Amazon Web Services の膨大なコンピューティング処理能力を利用するクラウドベースのダイヤラーには該当しません。
たとえ能力に限界があり、時間がかかるとしても、従来の方法が数十年も機能してきたという背景のなかでは、新しいやり方を概念化することは困難です。この、既知のものに固執したいという欲求は、「浸透率」の測定にも当てはまります。
かつて広く普及していたこの浸透率は、システムが 1 日に連絡リストをどれだけ処理できるのかを示すものです。例えば、ある大企業が 100 万件のレコードを目標にしているとします。数値として 75% 以上の浸透率を期待しているかもしれません。
しかし、数値の追跡機能を使用したとしても、それは的外れです。目標が、期日超過のアカウントから債権を回収することであるなら、浸透率では、何人と話したか、いくら回収したのかは分からないためです。
クラウドにより目標と成果の紐づけが可能になるなかで、注目点は変化しており、新しい考え方が求められています。あまりに多くの他の要因を考慮すると、最も重要な成功指標を見失いやすくなるので注意が必要です。
ネイティブ統合された専用ダイヤラーは、つぎはぎ状態のダイヤラーと比べて大きなメリットをもたらします。あなたが債務回収オペレーターで、アウトバウンドコールを完了したばかりだとします。電話を切ると、続いて自動的にインバウンドコールが届きます。すべてを単一システムで処理していれば、インバウンドコールに対応中は別のアウトバウンドコールは届きません。また、インバウンドコールは、常にアウトバウンドコールよりも優先されなければなりません。
支払いに関するメッセージを残した場合、その顧客は電話をかけ直してくるかもしれません。また、支払いを行う可能性も大いにありますし、フォローアップの質問もあるかもしれません。いずれにしても、その通話は最優先です。
レコードシステムと連携したクラウドベースのアウトバウンドダイヤラーは、そのようなインバウンドコールを優先化し、カスタマイズなしにアウトバウンドとシームレスに統合します。Genesys Cloud アウトバウンドダイヤラーは、音声がメールなどのエンゲージメントチャネルと同様に機能する、「すぐに使える」製品なのです。
大企業のほとんどが、何らかのアウトバウンドダイヤラーを使用しています。債務回収、融資サービス、小売、医療など、どの業界においても、ダイヤラーは収益源であり、多くの場合、ビジネスの生命線です。
企業は最新のクラウドベース型アウトバウンド・エンゲージメント機能なしに、ビジネスチャンスを掴むことは難しくなります。今こそ、カスタマーエクスペリエンスを大幅に改善し、貴重な時間とリソースを浪費しない方法を見つけるべきです。
「AI で顧客ロイヤリティを構築するための 7 つのベストプラクティス」(Seven best practices for building customer loyalty with AI)をお読みいただき、コンタクトセンターにおける AI 活用の重要性をご確認ください。カスタマーサービスは単なる取引ではなく、企業に変革をもたらすものであるとご理解いただけるはずです。